カリフォルニアの山火事の原因は?現地から現状もレポート

こんにちは、2000年からシリコンバレー在住のMAKIです。

冬が雨季で、春から秋は雨が降らず乾燥し、高温が続くカリフォルニアは、山火事が起こりやすい地域です。

私はカリフォルニアに住んでもうすぐ20年になりますが、確かに山火事は毎年起こっていました。

そしてここ数年、急激に山火事の規模と被害が大きくなったと感じています。

2018年には流れてきた煙のために学校が休校、2019年は山火事防止のために大規模な計画停電が行われています。

いったい今、カリフォルニアに何が起こっているのでしょうか?

この記事では、

  • アメリカとカリフォルニアの山火事の原因
  • 木が電線に触れたことで起こる火花とその対策
  • 大規模被害が普通になるかもしれない温暖化の影響

をご紹介します。

目次

山火事の原因は自然発火?人災?

アメリカ農務省の資料によれば、アメリカの山火事の85%は人間によるものです。

  1. 放置されたキャンプファイヤーからの出火
  2. 機器の機能不全
  3. 不注意に廃棄されたタバコ
  4. 意図的な放火

などが挙げられます。

残りの15%は稲妻などの自然発火です。

1953年の国立公園での山火事で、火を消そうとした消防士が15人亡くなりました。
放火犯のスタン・パターンは、森林サービスエンジニアの息子で、誰も殺すつもりはなかったと告白しました。
彼はサン・クエンティン州立刑務所に3年間、服役しました。

カリフォルニアの場合、これにまたちょっと違った事情が加わります。
次にカリフォルニアの山火事を見てみましょう。

カリフォルニアの主な山火事の原因一覧

カリフォルニアで死者数と燃焼範囲の酷かった山火事の、原因が分かっているものを表にしてみました。
年代順です。

燃焼範囲:a=エーカー、ha=ヘクタール
1 a=4046.9 m2

名前 発生日時 燃焼範囲 死者数 原因
ラトルスネイク 1953年07月
09日〜11日
1,340 a
(542.3 ha)
15人 放火
トンネル
(オークランド・
ファイヤーストーム)
1991年10月
19日〜23日
1,600 a
(647.5 ha)
25人 完全に消火され
なかった野火
オールド 2003年10月
21日〜11月02日
91,281 a
(36,940.1 ha)
6人 放火
シーダー 2003年10月
25日〜12月05日
273,246 a
(110,578.7 ha)
15人 狼煙
ザカ 2007年07月
04日〜10月29日
240,207 a
(97,208.3 ha)
0人 粉砕機からの
火花
ウィッチ 2007年10月
21日〜11月13日
197,900 a
(80,087.3 ha)
6人 電線の落下
アイロン・アルプス・
コンプレックス
2008年08月 105,855 a
(42,838.0 ha)
10人 稲妻
ラッシュ 2012年08月
12日〜30日
271,911 a
(110,038.5 ha)
0人 稲妻
リム 2013年08月
17日〜11月04日
257,314 a
(104,131.3 ha)
0人 不法キャンプ
ファイヤー
ヴァレー 2015年09月
12日〜10月15日
76,067 a
(30,783.2 ha)
4人 屋外の電気配線
のミス
タブス 2017年10月
08日〜31日
36,807 a
(14,895.3 ha)
22人 電気システムの
故障(個人所有)
ナンズ 2017年10月
19日〜30日
54,382 a
(22,007.6 ha)
3人 PG&Eの電線への
木の落下
カー 2018年07月
23日〜08月30日
229,651 a
(92,936.5 ha)
8人 パンクしたタイヤ
による火花
キャンプ 2018年11月
08日〜25日
153,336 a
(62,050 ha)
86人 PG&Eの電線

放火、稲妻、キャンプファイアーと、アメリカ農務省に示された原因が出てきています。

ここで気になるのが、ここ数年で出てきている原因、電線です。

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2018年、PG&Eの電線が原因の山火事です。キャンプは、キャンプ・クリーク・ロード(Camp Creek Road)に因んで名付けられました。
死者数・建物破壊数のワースト1位で、ワースト2位の3倍近い死者数、4倍以上の建物破壊数でした。
火災発生直後、火の回りの速さから、パラダイスとコンクーの多くの住民は、火が到着前に避難することが出来ませんでした。消防隊は炎をコントロールするのを諦め、人々を救助することに専念しました。
3日間の雨の後、25日に100%鎮火されました。

電線が原因の山火事

2018年10月に次のような記事が出ました。

2017年10月8〜9日に北カリフォルニアで起きた山火事18件の内、16件がPG&Eの電線と機器が原因であったことが判明。

PG&E(Pacific Gas and Electricity Co.)は、サンフランシスコ・ベイエリアを中心とするカリフォルニア州北部地域の天然ガス、電力供給を行う企業です。

16件の原因を表にまとめてみました。

名前 原因
レッドウッド 電線の落下
ナンズ 電線に木が落下
ノーボン 電線に木が落下
アドビ 電線に木が落下
パトリック 電線に木が落下
ピュティア 電線の落下
アトラス 電線に木が落下
サルファ 電柱が倒れ電線と機器が地面に接触
ポケット 電線に木が落下
37 配電線から発火
ブルーファイア 電線の導体がコネクターから離れ、地面に落下
チェロキー 電線に木が接触
ラポート 電線に木が落下
マッコートニー 電線に木が落下
ロボ 電線に木が接触
ハニー 電線に木が接触

木が電線に落下、接触という原因が多いですね。

州の消火活動調査官によれば、11件でPG&Eが州の条例に違反している証拠が見付かったそうです。

電線の周囲をきれいにしておかなかった、設備を適切に維持できていなかった、というのが違反理由です。

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2017年、電線に木が落下したことで起こったナンズは、いくつものワイナリーを完全に破壊し、ワイン産業に深刻な被害を与えました。
また、サンタローザにあるスヌーピーで有名な故チャールズ・M・シュルツ氏の自宅も消失しました。

木が触れるくらいで火災が起こるの?と思われる方、次で動画をご紹介します。

電線に木が触れることで起きる火花

電線が近くの木の枝に接触すると、火花が発します。
この火花が散り、風に飛ばされ、山火事の原因となります。

電線に触れるとこうなる、という動画がTwitterにありました。
思った以上に大きな火です。

これは怖いですね…。

 

現在、PG&Eは電力を安全に供給するための法的義務を強化するよう、求められています。

そして考え出されたのが、次の対策です。

火花を起こさないための対策

電線が原因の山火事を避けるため、2019年は計画停電が頻繁に行われています。

電気が通っていなければ、火花も起きない訳です。


私の住んでいるエリアは、今まで幸運にも計画停電には当たりませんでしたが、これからはどうなるか分かりません。

計画停電によって閉店を余儀なくされた、冷蔵庫の食材が使い物にならなくなった等の理由で、PG&Eは訴訟を起こされているそうです。(アメリカらしいですね^^;)

電線が原因の山火事は、カリフォルニア州南部でも起きています。
南部では、風が火を広げる原因になっています。

2007年、南カリフォルニアで起きた山火事で、原因は電線の落下です。燃焼範囲は、東京23区約1.3個分がほぼ焼け野原という広さです。

乾燥した強い風

火が広がった原因は、異常に強いサンタアナ風が最大要員でした。

サンタアナ風は、ロサンゼルス南部で秋から冬にかけて吹く局地風です。
熱く強い風で、これにより温度が上がり、風も乾燥してしまいます。

強風は飛行機やヘリコプターを使った消火活動の妨げになります。

また残り火を拾って遠くへ飛ばし、新しい山火事を起こす原因にもなっています。

ニューヨークタイムズによれば、サンタアナ風が吹く月は火災が3倍の速度で成長し、人口密集地域にも侵入する確率が高いそうです。

でも、サンタアナ風って急に始まったことじゃないよね?
どうして今は山火事が酷くなっているの??
それは最近の気候変動が関係しています。

気候変動による温暖化

気候変動が最近の山火事の数と被害の深刻さに影響を与えています。

カリフォルニアは今、温暖化で気温が上昇しています。

 

ワシントンポストが2019年8月に発表した分析によると、

ロサンゼルス郡の年平均気温は、1895年から2018年にかけて華氏4.1度(摂氏2.3度)も上昇しています。

※ロサンゼルス郡はロサンゼルス、ロングビーチ、トーランスなど88の市があるエリアです。

2010年9月7日、この日はとても暑い日だったため、ロサンゼルスのダウンタウンにあるハイテク温度計が機能しなくなりました。

その温度は華氏113度(摂氏45度)、20年前の最高記録を更新した日となりました。

ロサンゼルスが140年以上記録を続けている中で、システムダウンを起こさせるほどの高い温度=華氏110度(摂氏43度)を超えたのは、それまで2回しかありませんでした。

最高記録を更新してから9年、ロサンゼルス郡は年平均気温が摂氏2度を超えた全米71郡のひとつとなりました。

 

気温が高くなり、シエラ山脈の積雪量が少なくなりました。
春の雪解け水は減り、植物たちの水分は少なく、乾燥した状態です。

乾いた植物は燃えやすく、大規模な山火事となりやすいのです。

カリフォルニア州の規模の大きい山火事ワースト10のうち、9つは過去10年の間に起こっています。

 

温暖化は減速することなく、気候科学者は地球規模で悲惨なものになると警告しています。

2015年に発表されたUCLAの調査によると、2050年までにダウンタウンエリアの気温が華氏95度(摂氏35度)を超える年間の日数が約3倍になる可能性があるそうです。

私の住んでいるのは、ロサンゼルスのある南カリフォルニアではなく、サンフランシスコの近郊、北カリフォルニアです。

一般家庭には冷房が無い、夏でも涼しいエリアですが、年に1〜2回くらいの数日、熱波が来て暑くなることがありました。

その熱波の日数が、年々増えている気がします。

特に今年、2019年は暑くて寝苦しい日が20日くらいありました。
(普段は夏でも陽が落ちると肌寒い気候です。)

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2018年、パンクしたタイヤの火花が原因のカーの燃焼範囲は、東京23区約1.5個分がほぼ焼け野原という広さです。
シャスタとトリニティ群のカー・ファイアは、炎がサクラメント川を越えてレディング市に侵入し、3万8千人が避難しました。
損害賠償額は、16億5900万ドルを超えました。
死亡8人の中には3人の消防士を含んでいます。

地球温暖化がこのまま続けば、カリフォルニアでは山火事大規模被害が普通になってしまうかも知れません。

参考:CAL FIRE
How hot, exactly, is LA going to get?

まとめ

カリフォルニアの山火事の原因は?現地から現状もレポート、いかがでしたでしょうか。

  • 山火事の原因は85%が人災、残りは稲妻などの自然発火
  • 北カリフォルニアでは電線が原因の火事が増えている
  • 南カリフォルニアではサンタアナ風という局地風で被害が悪化
  • 最近では気候変動による温暖化で、さらに乾燥した状態になり大規模な山火事となっている

でした。

ワースト1のキャンプは、私の住んでいるところにも初めて影響が出ました

外に出ると、煙い
学校は外での活動禁止
遂に休校
その時点で鎮火率、まだ45%…。

こんな山火事は早々起こるまい。

そう思ったのに、1年も経たない内に、また外が煙い。
幸い、キャンプ程の被害にはなりませんでしたが、50年に1度と言われた火事がまた??と、皆、驚いています。

具体的な対策を本気で考える時なのだと思いました。

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