猫と爪

猫の爪除去手術の実情!在米の猫愛好家が色々な視点で解説します

こんにちは、2000年からシリコンバレー在住のMAKIです。

我が家には猫が2匹います。

猫を初めて飼うと決めた時、ピピンと来る出会いを求めて、近辺にあるシェルターを1か月ほど繰り返し訪問しました。

シェルターでは大きな部屋に猫が何匹もいて、まったり過ごしてお迎えを待っています。
ところが、あるシェルターではケージに入れられ、隔離されている猫達がいました。

「病気ですか?」

シェルターの人に訊くと、それが爪除去手術(ディクロー [declaw] )をされた猫達でした。

今回、この記事を書くにあたり、日本の動物病院のサイトをチェックしていたところ、

爪除去手術は、アメリカでは去勢手術や避妊手術と併せて行う一般的な処置

と書かれたサイトがいくつもあり驚きました。

この記事では、

  • 爪除去手術の種類、費用、メリットとデメリット
  • 本当にアメリカでは当たり前なの?
  • 賛成意見と反対意見
  • 手術の代わりに出来ること

をご紹介します。

猫の爪除去手術とは?

爪除去手術は、爪が再生しないように根元から摘出する手術です。

猫の爪は人間とは違い、筋肉と腱で作用し引っ込んだり出たりします。

なので爪だけではなく、骨(末節骨)ごと切除しないとなりません。

人間で言うと、指の第一関節から切るイメージ…と考えるとかなり怖いですね^^;

手術の種類

3つの方法があります。

ギロチン式

爪の根元から切除する。
末節骨が残り、また爪が生えることがある。
値段が安い。

ボーンカッター式

ボーンカッターは、ニッパーのような器具のこと。
第一関節を丸ごと切除するので、爪はもう生えてこない。

レーザー式

血管と神経を熱処理しながら末節骨を切除する。
出血が少なく、回復が早い。
爪はもう生えてこない。
値段が高い。

手術の費用

病院・手術内容により異なりますが、両前脚だけだと2〜6万円両前脚両後脚だと4〜8万円程度です。
これに別途、検査代やエリザベスカラー代などが追加される場合が多いです。

ネット検索で見つけた価格を表にまとめました。

手術内容費用
A動物病院両前脚両後脚(ボーンカッター、日帰り)4万円
両前脚(ボーンカッター、日帰り)2.5万円
B動物病院両前脚両後脚(ボーンカッター、日帰り)4万円
C動物病院両前脚(ボーンカッター、1日入院)3万円
D動物病院両前脚(ボーンカッター、2日入院)5万円
E動物病院両前脚両後脚(レーザー、2日入院)8万円
F動物病院両前脚(レーザー、日帰り)5.5万円

あくまで参考ですので、実際の価格をお知りになりたい方は、最寄りの動物病院にご相談ください。

爪除去手術のメリット・デメリット

メリットは?
  1. 爪研ぎで家や家具に傷が付かない
  2. 爪切りのストレス(猫、飼い主共に)から解放される
  3. 赤ちゃんや子供が引っ掻かれる心配がない
  4. 爪が怖くて飼うことが出来なかった人でも飼い主になれる
  5. 凶暴な性格な猫でも、爪が無ければ飼い主が怪我する心配がない
  6. 他の同居猫と喧嘩しても怪我の心配がない

人間にとってのメリットばかり…な気もしますが、この手術で飼い主が見付かり、救われる命もあるのだろうと思います。

デメリットは?

猫にとって:

  1. 術後は痛い
  2. 爪が使えないので、高いところへ登れなくなる可能性がある
  3. 脱走した際、武器がないので怪我をする可能性が高い

飼い主にとって:

  1. 猫が痛そうにしていて辛くなる
  2. 本当に手術して良かったのかと悩む
  3. 周りに批判されそうで手術のことを言えず苦しい

猫にとっては身体面、飼い主にとってはメンタル面でのデメリットですね。

さて、この手術、アメリカでは本当に一般的なのでしょうか?

アメリカでの爪除去手術の現状

私はシェルターで初めて、爪除去手術(ディクロー)というものを知りました。

シェルターの方曰く、

爪の無くなった猫は、他の猫と喧嘩になった時、闘う武器(爪)がありません
だからケージに入れて隔離しています。

もしディクローされた猫を引き取るつもりなら、最期まで面倒をみて下さい。」

手術をした猫を捨てるという行為は、イコール死を意味する、と言われました。

どのくらいの猫が爪を除去されている?

Little Big Catという猫専門サイトの記事によると、

アメリカには約9,000万匹の飼い猫がいますが、爪を除去されている猫の割合は、25〜50%です。

多いですね…50%としたら半分なので、アメリカでは一般的と言われたのも分かります。
記事を読み進めます。

南カリフォルニアの獣医を対象とした調査では、病院の86%が手術を行っていました。
獣医の78%が、リクエストがあれば、手術を行うと言っています。

しかし2009年は、年平均で14件となっています。

別の調査では、獣医の多くが以前ほどこの手術を行っていないことが分かっています。
年に1、2回という獣医もいました。

この記事は2013年のもので、最近のデータが見付からなかったのですが、減ってきているということですね。

爪除去手術はアメリカでは合法?

実際に手術をしているのだから、そりゃ合法でしょう、と思いましたが、事情は変わってきているようです。

猫

爪除去手術は、カナダ10州の内7州で、ヨーロッパではフィンランド、スウェーデン、ドイツ、スイスなど多くの国で既に違法となっています。
理由は、

永続的な身体的問題を引き起こす可能性があるから
痛みで猫トイレを使いたがらなくなったり、引っ掻く代わりに噛みやすくなる可能性もある、そうです。
これは猫の性格もあるので、必ずしもそうなるかは分かりません。

アメリカで手術が違法となったのは、2010年にカリフォルニアの7都市

  1. ロサンゼルス
  2. サンフランシスコ
  3. バーバンク
  4. サンタモニカ
  5. バークレー
  6. ビバリーヒルズ
  7. カルバーシティ

2017年にコロラド州デンバーも違法となりました。

州としては初めて、2019年7月22日にニューヨーク州が爪除去手術を禁止しました。

私が通ったシェルターで、爪除去手術の猫が少なかった理由が分かりました。
サンフランシスコでは禁止されていたから、なんですね。
そう言えば、手術された猫は老猫が多かった。
ということは、アメリカでは本当に最低 25%くらいの猫が手術をされていた、のだと思います。

でも何故、アメリカでは頻繁に手術がされていたのでしょう?

アメリカ人が爪除去手術をしたがる理由は?

アメリカで猫の爪を取り除く理由は、

猫が家具、壁、ドアなどを引っ掻いて傷を付けさせないため、です。

2013年に禁止されましたが、ロードアイランド州では家主が居住の条件として飼い猫の爪除去手術を要求していました。

だったら日本のようにペット禁止にすれば良いのにと思いますが、安易に手術という解決法に飛びつく飼い主は多かったようです。

2011年のAP世論調査では、アメリカの飼い主の55%が手術をしても構わないと答えていました。

 

これは、アメリカで猫の室内飼いが増えたことと関係があると言われています。

動物専門家の記事に、室内飼いについて詳しく書かれていました。

60年前は、ほとんどの猫が外を自由に行き来していました。
状況が変わったのは、便利な猫トイレの出現です。
室内で飼いやすくなったのです。

2004年の調査によると、アメリカの猫の半分以上が室内飼いになりました。
(20年前の2倍近い数字です!)

そして2014年には70%が室内飼い、25%が放し飼い、5%が屋外だけです。

田舎なら放し飼いも可能?かと思いましたが、コヨーテやオオカミなどの捕食者がいる可能性が高く、やはり室内飼いが増えているそうです。

一方、2016年のイギリスの調査では、完全室内飼いは20%のみ。
ヨーロッパのほとんどの家でも放し飼いで猫を飼っています。
外に出れば、木などを爪研ぎの材料に出来ます。
また自分自身を守るため、爪は必要ですから、手術は不要です。

ちなみに日本でも2003年の調査で、

どのように飼っているか聞いたところ,「室内で飼っている」と答えた者の割合が54.0%,「主に室内で飼うようにしている」と答えた者の割合が22.1%,「放し飼いにしている」と答えた者の割合が23.8%となっている。

引用元:内閣府 – 世論調査

となっていて、その後、増えていると想像されますので、室内飼い数はアメリカと似たような数字かも知れません。

参考:Cat declawing: Should it be banned, and why does it happen in the US?
New York just became the first state to ban cat declawing

室内飼いが増えると、爪のトラブルが増える、そして手術を考える飼い主が増える。
日本では禁止されていないこの手術、アメリカのように増えるのでしょうか?

次は、手術を考えた時に参考にしていただきたいお話です。

手術をされた猫と飼い主の将来は?

アメリカでは、爪除去手術を支持する人もまだたくさんいます。
賛成の方の意見を拾ってみました。

  1. 猫と飼い主の絆が改善される
    引っ掻かれないことで恐怖心が無くなり、家具も守られる
  2. 安楽死を防げる
    シェルターの猫の引き取り手が増え、命を守れる
  3. ただし代替案を試行して、ダメだった時の最後の手段にすべき

続いて反対の方の意見です。

  1. 痛みを伴う
    猫は痛みに耐えるのが得意なので、どれだけ痛がっているかは分からない
  2. 手術にはリスクが伴う
    大量出血、感染、麻痺など
  3. ストレスになる
    肉体的、感情的に適応には時間がかかる
  4. 攻撃性への解決の場合、機能しないかも?
    原因となった問題に対処せず、爪だけ除去しても意味がない

支持しない人の意見は、手術が人間の利益だけで、猫には医学的利益がないということに集約されています。

参考:Pros and Cons of Declawing Cats – Is It Really Cruel?

可愛い飼い猫に、痛い思いを喜んでさせたい飼い主はいないと思います。
最後に、手術をしないで済む代替案です。

手術の代わりになるものは?

爪とぎが気になる場合
引っ掻かれるのが怖い場合

猫と遊ぶ時、自分の手をおもちゃとして使用しない(認識させない)
ネイルキャップを装着する

着けてから4〜6週間持ち、猫が飲み込んでも無害な素材で作られているそうです!

我が家では、爪研ぎを3種類用意して置いています。
人には幸い、爪を立てません。
一度立てられて「イタイ!」と言ったら、避けるようになりました。
猫も覚えるんですね^^

まとめ

猫の爪除去手術を費用から代替案まで、在米ネコ飼い主が解説!、いかがでしたでしょうか。

  • 爪除去手術は3種類、ギロチン、ボーンカッター、レーザー
  • 値段は高いが、猫の負担が少ないのはレーザー
  • 費用は両前脚だけだと2〜6万円、両前脚両後脚だと4〜8万円程度
  • 手術のメリットは家具に傷が付かない、引っ掻かれる心配がない
  • デメリットは猫にとっての身体的負担、飼い主にとってのメンタル面での負い目
  • アメリカでは25〜50%が手術されていたが、最近は減ってきている
  • 違法とする都市、州も増えている
  • 室内飼いが増えたことで手術が増えた
  • 手術に対する賛成意見、反対意見があるが、最後の手段にすべきと賛成者も言っている
  • 手術の代替案は、家具カバー、ネイルキャップなど

でした。

私も猫を飼ったのは初めてだったので、最初は爪、引っ掻かれるのが怖かったです。
だから手術を考える方の気持ちも分かります。

実は猫を2匹引き取ったのは、シェルターの方のオススメもあったのですが、猫同士で学んで貰えると思ったからでした。

1匹は人に爪を立てない!と褒められていた猫だったので、彼女がもう1匹を教育してくれました^^;
(爪、歯を立てたら噛んで痛いと教える。)

お陰で今は2匹とも、人に爪は立てません。

でも野良生活で凶暴となった猫、性格もあるし、我が家は上手くいきましたが、それで皆が同じようにいく訳ではないですよね。

多くの猫が幸せになって欲しい、それだけを願います。

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