モンテッソーリ教育とは?教具や問題点と幼稚園体験談

モンテッソーリ教育って、どういう教育法かご存知ですか?

アメリカにはモンテッソーリ教育の幼稚園があちこちにあります。
私は娘を4年間、モンテッソーリ教育の園に通わせました。

その経験から、

  • 一体どういう教育法なのか?
  • モンテッソーリ教育ならではの言葉「子供の家」「お仕事」「教具」「敏感期」
  • モンテッソーリ教育の問題点、メリット・デメリット

について、詳しくお話したいと思います。

目次

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育は、20世紀初頭に、イタリアの医師マリア・モンテッソーリにより考案されました。

Unknown authorUnknown author, Public domain, via Wikimedia Commons
マリア・モンテッソーリ

モンテッソーリ教育を行う施設は、「子供の家」と呼ばれます。
そこには、他ではちょっと見られないおもちゃ(教具)が並んでいます。

モンテッソーリ教育の目的は、自立した子供を育てることです。

そのため、「子供の家」では、

子供達は自分がやりたい教具を自分で選び、やりたいだけやります。

これをモンテッソーリ教育では「お仕事」と呼びます。

MAKI

普通の幼稚園では、お絵描きの時間、工作の時間など皆でやることが決まっていて、ある程度の時間が来たらお終いになると思います。
モンテでは満足するまでずっとそれで遊べます。
1か月ずっと同じ「お仕事」でもオーケーです。

またクラス分けは、

年齢別ではなく、縦割りのクラス分けです。

大きい子は、小さい子を助けてあげることで、社会性を学びます。

大切な2つの敏感期

モンテッソーリ教育では、幼児には「敏感期(Sensitive Periods)」という時期があるとし、これをとても大切にしています。

例えば、3歳までの敏感期には、いろいろなことを吸収したいという心と、秩序感があります。

  • 小さな子が、いつもと違うカップにしたら飲むのを嫌がった経験はないですか?
  • また、いつもと違う道で幼稚園へ行ったら、怒られた経験は?

子供は、いつもと同じ、が大好きなのです。

3〜6歳になると、また重要な敏感期が2つあります。

1つは感覚の敏感期
見る、聴く、触れる、嗅ぐ、味わうことで、感覚をより鋭くします。

  • トンネルの下は声が響くと、嬉しそうに教えてくれたことはないですか?
  • 砂場ですぐに裸足になりたがるので、困ったことは?

こういう時は、思う存分、遊ばせてあげた方が良いそうです。

もう1つは運動の敏感期
体全体を使う、バランスをとる、指先を使うことで、筋肉の動かし方を学びます。

  • 少しでも高くなっているところがあると、必ず上に乗って歩きたがりませんか?

子供は、バランス感覚を養うチャンスを逃さずにはいられないのです!

感覚や運動などの能力を得るために、ある特定の要素に対して、感受性がとても敏感になる子供達。

その好奇心を満たし、出来た!という満足感を与えることで、精神的な安定を得られる

と、モンテッソーリは語っています。

そしてそのための教具が、「子供の家」には揃っています。

モンテッソーリ教具・教材の紹介

代表的な教材をご紹介します。

  1. 感覚教材
  2. 算数教材

1. 感覚教材

ピンクタワー


「子供の家」に必ずある物のひとつです。

小さい子は最初はなかなか大きい物から小さい物へと積み上げることができません。
集中力と観察力、動作能力が鍛えられます。

円柱さし

これも「子供の家」に必ずある物のひとつです。

全部差し込んだらバラバラにし、また指し込むという作業を繰り返します。
集中力と観察力、動作能力が鍛えられます。

MAKI

娘はどちらも大好きでした!
シンプルながら嵌るオモチャだと思います。

2. 算数教材

色ビーズ

算数教具の代表的な物のひとつです。

ビーズで数の概念を習得します。

算数棒

棒を手にし、視覚に訴えることで、算術的な理解が深まります。

教材を手作りしてみよう

小皿を5つ用意します。
大豆、小豆、黒豆など、5種類の豆を数粒ずつ、別の器に入れます。
これをまとめてお盆に乗せれば、「豆選び」教材の出来上がりです。

お箸で種類別に分けたり、全種類を1つずつお皿に入れたり。
アイデア次第で色々できます。

MAKI

子供はこういう単純な物が大好きですね!

続いて、私の体験談になります。

モンテッソーリ幼稚園の体験談

私の娘は2歳で行ったデイケアが、たまたまモンテッソーリでした。
そこで3〜5歳のプリスクールもモンテを選び、4年間お世話になりました。

その時の体験をお話します。

娘が一番気に入っていた「お仕事」は、日常生活の練習(Practical Life)でした。

1週間に1度、保護者がボランティアで野菜や果物、お花を教室に寄付します。
子供達はそれを好きに使って「お仕事」します。

ニンジンを洗う、皮をむく、小さく切る。
ちゃんと子供用のまな板、包丁が用意され、先生は危なくないように見ています。

お花にはまり、初日で全ての花をすぐに使い切ってしまうと言われたこともありました。
娘は誇らしげに花びんに生けていたそうです。

また、布をチクチクと針と糸を使って縫うのも好きでした。
しばらくすると、ボタン付けも熱心にしていました。

年に2回、親が1人ずつ、30分ほど見学できる日がありました。

子供達の「お仕事」を邪魔しないよう、教室のはじに座って見ます。
見事に子供達が皆、バラバラの「お仕事」をしていたのが印象的でした。

しかも誰も騒ぐことなく、「お仕事」に集中していました。
これはモンテッソーリならではだと思います。

でも、こういう話を聞くと、子供らしくないのでは?
と思われる方もいると思います。

次に、モンテッソーリ教育のデメリットについて考えてみます。

デメリットは何?

よく言われるのは、皆で同じ行動をしないので、

  • 集団行動に馴染めない
  • 身勝手でワガママになる

というものです。

モンテの幼稚園・保育園は、ずっ〜と「お仕事」している訳ではありません。
外遊びの時間もあるし、ランチもあります。

なので、必ずしも当てはまらないかな、と思います。

ただし、同じモンテッソーリ教諭の資格を持っていても、園の姿勢や方針には大きな差と違いがあります。

自分の子供にあっているかどうか?は、自分の目で見て、判断する必要があります。

どこでもモンテなら良い!という訳では、残念ながらありません。

教育を受けた子供達のその後

モンテッソーリ教育を受けた有名人では、

  1. マーク・ザッカーバーグ(フェイス・ブック創立者)
  2. ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン(グーグル創立者)
  3. ジェフ・ベゾス(アマゾン創立者)
  4. ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創立者)
  5. ジョージ・クルーニー(映画俳優)
  6. ヨーヨー・マ(チェリスト)
  7. ウィリアム王子とヘンリー王子(イギリス王室成員)

などがいますが、彼らは突出した人たち。
一般の人に違いはあるのでしょうか。

モンテの幼稚園で一緒だったママ友さんと会うとよく話します。

あの頃の集中力はどこへ行ったの?!と思うわよ。

私も全く同意見。
今は他の子と何ら変わらない子供達です。

ただ、手先が器用、精神的に安定している、ということは言えます。
これが敏感期に達成感を得た結果なのかはわかりません。

でも、幼児教育にモンテッソーリを選んで良かったと思います。

まとめ

モンテッソーリ教育とは?教具や問題点と幼稚園体験談、いかがでしたでしょうか。

簡単にまとめると、

  • モンテッソーリ教育の目的は、自立した子供を育てること
  • 幼児にはそれぞれ重要な「敏感期」がある
  • 「子供の家」では、子供がやりたい「お仕事」を満足するまでやらせる
  • 「教具」は手作りもできる
  • モンテッソーリの幼稚園は園によるので、親がよく見て判断するべし

という感じでしょうか。

私は幼児の敏感期という考えにとても納得できたので、家でも子供用のまな板と包丁を用意していました。

手伝いたいと言ってきた時には、本当は

「邪魔だな〜」
「時間かかるな〜」

と思っていても、キッチンでお手伝いしてもらいました。
娘の目がキラキラしていたのを今でも覚えています。

敏感期を逃さない、家庭でもできるモンテ教育をオススメします!

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