こんにちは、2000年からシリコンバレー在住のMAKIです。
最近話題となっているサマータイム、夏時間。
日本では2時間早めて、なんて言ってますが、1時間でも健康に大きな影響があるという研究結果が実は出ています。
それなのに何でサマータイムなんてしてるの?
だいたい、誰が考えたの?
いつ、どこが始めたの?
そんなサマータイムの歴史から、現在実施しているアメリカの実情、期間、時計の変更の仕方の覚え方など、サマータイムのいろいろをわかりやすく詰め込んでみました!
アメリカのサマータイムの期間と時計の変更の仕方
サマータイムは、アメリカではデイライトセービングタイム(DST)と呼ばれます。
行われていて、1年の内、標準時よりもサマータイムでいる期間の方が長いです。
アメリカでは夏時間を採用しているので、春と秋の2回、時計を変更する必要があります。
間違えないように、こういう言葉で覚えています。
春(スプリング)に進めて、秋(フォール)に戻す
春の開始時に1時間進め、秋の終了時に1時間時計を戻す、という意味です。
春。
午前2時に時計は3時になるので、1時間進めて合わせます。
秋。
午前2時に時計は1時になるので、1時間戻して合わせます。
サマータイムの歴史
発明したのは誰?
サマータイムを発明したのは、
イギリスの建築家、ウィリアム・ウィレット
の2人です。
1985年、ハドソンはウェリントン哲学協会に論文を提出しました。
10月に2時間、3月に2時間、時計を動かすことを提案したのです。
このアイデアは興味深いものでしたが、その後、続きませんでした。
ウィレットは、ハドソンとは別に、1905年に提案しました。
4月の日曜日毎に20分先に時計を設定し、9月の日曜日毎に同じ時間時計を戻す。
合計8回の時計を変更を毎年行う提案です。
ウィレットの夏時間計画は、1908年2月に下院に提出されました。
1909年に最初の法案が起草され、何度か議会に提出され、委員会で検討されました。
しかし多くの市民、特に農民によって反対され、法律化されることはありませんでした。
😥 ちょーっと細かすぎましたかね。
初めて使用されたのはカナダ
サマータイムを初めて使用した国は、1916年のドイツとオーストリアと言われています。
しかし実はその8年前、1908年の7月にカナダのオンタリオ州ポートアーサーの住人達が世界初の夏時間を体験するために、時計を1時間進めたことは、余り知られていません。
実験は2ヶ月で終了し、9月には時計は戻されました。
そしてすぐにカナダの他の場所が真似るようになりました。
1914年4月23日、サスカチュワン州のレジャイナもサマータイムを実施しました。
普及させたのはドイツ
ドイツ帝国と同盟国オーストリアは、1916年4月30日に時計を1時間進めました。
第一次世界大戦から2年後のことです。
理由は、戦争のために、照明の使用を最小限に抑え、燃料を節約できるからでした。
数週間後には、イギリス、フランス、その他多くの国がこのアイデアに続きました。
第一次世界大戦後には、ほとんどの国が夏時間使用を辞めました。
しかし第二次世界大戦までに、ヨーロッパのほとんどの国が、夏時間採用を復活しました。
😥 うーん、戦争が理由って、ちょっと悲しいですね。
アメリカのサマータイム
アメリカは夏時間を採用している世界約70ヶ国の1つですが、実は全ての州が夏時間を採用している訳ではありません。
サマータイムをしている州としていない州
2005年のエネルギー政策法は、全ての州や地域がサマータイムを採用する権利を与えています。
つまり、自分達の自由で夏時間をしても、しなくても良いのです。
そんな訳で、アリゾナ州はその権利を行使して、首都フェニックスを含む州のほとんどの時計が標準時のままです。
一部、アリゾナ北部のナバホ族(インディアン居留地)だけは、サマータイムを採用しています。
夏時間をしているユタ州とニューメキシコ州にまたがる領土と、同じ時刻でいたい為です。
サマータイムをしていないアメリカの他の地域は、ハワイ州と、
プエルトリコ、グアム、アメリカ領ヴァージン諸島などの国外の領土です。
またインディアナ州は、1970年から拒否していましたが、2006年からは採用を決めました。
アメリカでサマータイムはいつ始まった?
1916年、第一次世界大戦中、ドイツが戦争のためにサマータイムを導入した最初の国となりました。
アメリカでも、「ファースト・タイム」という名で、1918年に初めて導入されました。
これは、7ヶ月後には廃止されました。
しかし、ピッツバーグ、ボストン、ニューヨークなどいくつかの都市では、引き続き使用していました。
第二次世界大戦でのサマータイム
第二次世界大戦真っ只中の1942年、フランクリン・ルーズベルト大統領が、年中無休の夏時間を再導入しました。
この「ウォー・タイム(戦時)」と呼ばれるサマータイムは、1942年2月9日から1945年9月30日までずっと続きました。
この間、アメリカのタイムゾーンは、
東部ウォー・タイム(Eastern War Time)
中部ウォー・タイム(Central War Time)
山岳部ウォー・タイム(Mountain War Time)
太平洋ウォー・タイム(Pacific War Time)
と呼ばれていました。
1945年8月中旬に日本が降伏した後、タイムゾーンは「ピース・タイム(平和の時)」に改名されました。
ルール化されたサマータイム
1945年から1966年にかけて、アメリカではサマータイムのルールが統一されていませんでした。
そのため、列車、バス、放送業界では混乱が頻繁に起こりました。
そこで、1966年にユニフォーム・タイム・アクトという法が制定されました。
全米の州にサマータイムから抜ける権利を与える一方で、
という夏時間のスケジュールの枠組みを提供したのです。
研究目的にされたサマータイム
1973年の石油禁輸措置の期間中、米国議会は、サマータイムを1年間にするように命令しました。
季節変化が、エネルギー消費に及ぼす影響を研究するのが目的でした。
国民からの厳しい反対と、その措置によって達成された微々たる省エネルギーを受けて、冬の間に標準時に戻す計画が、すぐに行われました。
そして、今
1976年にエネルギー危機が終わった後、アメリカのDSTスケジュールは何年にもわたって数回修正されました。
サマータイムと体内時計、健康への影響
睡眠不足
サマータイムの始まり、時計を1時間前に設定する事で、睡眠を1時間失う事になります。
多くの人にとって、これはちょっと迷惑なことでしょう。
睡眠不足は、悪い影響を与える可能性があります。
- スウェーデンの研究では、サマータイムに切り替えた後、最初の3週間で心臓発作のリスクが増加することが判明しています。
- サマータイムの開始に続く月曜日、交通事故の増加の主な原因は、時計の変化によって引き起こされた疲労であると考えられています。
- 同じく、開始後の月曜日には、職場での怪我が増え、他の月曜日と比べて傷害が重症でした。
- サマータイムの開始は、体外受精者の流産にもつながっています。
😯 うむむ、1時間でこんなに影響が?
逆に、秋に1時間の睡眠を得ることで、
- 秋のサマータイム移行後の月曜日に、心臓発作率が低下しています。
- カナダの交通事故件数は、わずかに減少しました。
だそうです。
でもこっちはたった「1日」、たったの「わずか」、なんですね。
うつ病のきっかけに
サマータイムの終わり、時計を戻して午後の光を1時間失うと、冬のうつ病としても知られる季節性情動障害などの精神疾患が引き起こされる可能性があります。
- デンマークの調査では、季節変化の後にうつ病症例が11%増加することが判明しました。
症例は10週間後に徐々に消失しています。 - オーストラリアの研究によると、春と秋の時刻変化後の男性の自殺率が増加しました。
😯 んー、日光は大事ってことでしょうか?
上手く早く慣れるには
疲れていると、生産性や集中力が低下します。
サマータイムに上手く、早く慣れるためには、
- 切り替えの前の週から、ちょっと早めにベッドに入り、早めに調整します。
- 切り替え前の金曜日と土曜日、いつもより少し早く目を覚ますようにアラームを設定します。
月曜日の朝、ベッドから出るのが楽になります。 - 健康的な朝食を食べます。
- 散歩に行き、日光を浴びます。体内時計を調整するのに役立ちます。
要は、1〜2日じゃ体は慣れないから、もっと日数を掛けようよ、ってことですね。
ここまでしないといけないサマータイム、必要なのでしょうか?
と疑問を感じました。
まとめ
アメリカのサマータイムはいつから?時計の変更の仕方や健康への影響、いかがでしたでしょうか?
- アメリカのサマータイムは3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで
- 時計を春の開始時に1時間進め、秋の終了時に1時間時計を戻す
- 初めてサマータイムを使用したのはカナダだが、普及させたのはドイツ、理由は戦争
- アメリカ本土で夏時間を採用していない州はアリゾナ州だけ
- アメリカもドイツを真似て導入、すぐに廃止されたが、いくつかの都市はそのまま使用した
- 第二次世界大戦で年中無休で復活、ウォー・タイムと呼ばれた
- 現在のスケジュールは、2005年のエネルギー政策法によって導入されたもの
- サマータイムによる睡眠不足は健康に悪い影響があり、慣れるためには数日前からの調整が良い
でした。
サマータイムの歴史は、私も詳しく知らなかったので、調べていて面白かったです。
日本との戦争のところは、ちょっとチクンと来ましたが…。
でも1年中夏時間って…今(9月下旬)でさえ、
「朝、起きると暗い〜。
もう夏時間終わって良いよ!」
なのに、冬でも夏時間だったら…。
健康に影響は、人間って思ったよりも繊細なんだなー、と思いました。
そして。
1時間でこれなんだから、2時間は…無理、無理、無理!と思いましたデス。